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ICTを「サービス」ではなく「教材」として、ノウハウ生態系として進化させる
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学びの場の価値を高めるプラットフォームを提供する、
FLENS(フレンズ)株式会社の社長・大生 隆洋のコラムです。
ICTを活用し、教育の新たな価値を生み出すことに挑む、その想いを語っていきます。
最近、教育現場でのタブレット端末導入関連のニュースをあまり目にしない気がしています。これは、タブレット端末導入が進んでいないからでしょうか。
2010年にiPadが発売されて以来、AndroidタブレットやWindowsタブレットなども次々と登場し、教育現場でもタブレット端末の活用が注目されてきましたが、現在までに学校教育現場への導入がどの程度進んでいるのか見てみます。
文部科学省の調査では、学校ICT整備計画を2014年度までに策定ないし策定予定の自治体は563(31.1%)にのぼります。タブレット配備数は2012年度末時点で36,285台、2013年度末時点で72,678台、2014年度末時点で156,018台と3年連続で倍増しています。このことから学校教育現場へのタブレット端末導入は、既定路線として今後も進むものと考えられます。
一方、タブレット端末の1人1台の配備は難しいのではとの声もよく聞かれます。現在、普及している「1人1台」について述べたいと思います。
タブレット端末の導入形態として、①教員用、②各校に10台程度、③各学校に40台~80台、④生徒1人ごとに1台の4パターンに大きく分けられます。1人1台環境と言った場合、③のパターンが含まれ、これは「みなし1人1台」と言われています。2020年頃まではこの導入形態が主流になると思います。この導入パターンの特徴は、タブレット端末は学校備品として配備され、原則として、生徒個人には貸与されず授業で利用する際クラス全員に配付し、授業では1人1台が実現するという点です。
現在は、生徒が1人1台タブレット端末を所持し常時活用するほどコンテンツもなく、指導する側にもすべての授業で活用できるだけのノウハウが蓄積していないので、2020年頃までは、「みなし1人1台」の形態で普及し、活用ノウハウを蓄積し、教育ソフトやコンテンツの充実を図ることになると、私はみています。
学校での活用ノウハウの蓄積は、子ども達一人一人の能力や特性に応じた学びや子ども同士が教え合う協働的な学び、最近話題のアクティブラーニングでの活用などが中心になると思います。
学習塾でのタブレット端末の導入も学校と同様、みなし1人1台での導入が主流になると思います。しかし、タブレット端末の活用目的は学校とは異なり、学習塾の存在意義である成績向上をおいて他にはないと考えます。次の5年で、タブレット端末などICTを活用して、従来の学習スタイルでは実現できていない次元での成績向上のノウハウを蓄積した学習塾が勝ち組になると考えています。
そのためには、ICTコンテンツをサービスではなく、教材と考えるべきだと考えます。なぜならば、ICTコンテンツをサービスと考えるのであれば、メーカーから提供されるノウハウに従って活用しようとしますが、教材と考えるならば、自社のコンセプトに合った活用方法を作り込もうとするはずです。現在、活用している教材は、おそらく授業・確認テスト・宿題などの教務システムに組み込まれ、学習塾固有のノウハウとして生態系を構成する要素になっているはずです。そしてその生態系は一朝一夕にできたものではなく、数年から10年以上かけて作られ、進化してきたものだと思います。
指導理念や指導方針に合った学習ソフトやコンテンツを選択し、学習塾固有のノウハウを確立し、全講師に定着させ、それをさらに高める生態系を作り上げる必要があると思います。この強い新たな生態系を作り上げた学習塾が、次の時代をリードするのではないでしょうか。
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