教育×ICTの新しいセグメント

教育×ICTの新しいセグメント

学びの場の価値を高めるプラットフォームを提供する、
FLENS(フレンズ)株式会社の社長・大生 隆洋のコラムです。
ICTを活用し、教育の新たな価値を生み出すことに挑む、その想いを語っていきます。

 

eラーニングという言葉が随分定着してきたように思う。

「どのようビジネスをされているんですか?」との問いに、当初、「eラーニング見たいなものを提供しています。本当は違いますが」と、全く要領を得ない回答をしていた。

というのも、教育業界は2000年ごろからeラーニングの波がくるくると言われながら未だその波は来ていない。統計資料を見るまでもなく、市場規模は縮小している。その原因は、導入したのはいいけれど、ほとんど使われない。こどもが飽きる、先生が使いたがらないなど、ネガティブな意見が教育現場から聞こえてくる。印象的な経営者のコメントに、「時代を先取りして、eラーニングを導入して、PCブースを作ったけど、今では『仏壇MAC』だよ」と言われた。思わず、『仏壇MAC』ですか?と聞き返した。仏壇のように埃をかぶって、ほとんど使われないことに皮肉を込めているようだ。

なぜeラーニングが教育現場に普及しないのか?を考えてみると、そもそもeラーニングとは何かを考えなければならない。

私は、eラーニングは目標が明確で、モチベーションが極めて高い人向けに、【ICTを活用して、効率良くknowledge(知識)を提供】することをDNAに組み込んだシステムだと思う。たとえば、資格試験に向けて勉強したいが、専門学校に通ったりするのが時間的に難しい人には、ICTを活用して、「いつでも、どこでも、ひとりで」できるeラーニングはまさに最高の学習ツールであろう。また、途上国などで高度な教育が受けられない地域で、学ぶ意欲が高いこどもたちにも素晴らしい学習環境である。

ただ、教育現場を見ると、eラーニングが前提としている、目標が明確で、モチベーションが極めて高いこどもは少ない。多くの場合、目標が曖昧で、学習に対するモチベーションはそれほど高くない。何となく、勉強しているこどもが多い。これらのこどもに「いつでも、どこでも、ひとりで」というDNAを組み込んだeラーニングを、キャラクターやゲーム性、アイテムコレクションなどの要素でデコレーションしても、なかなか定着しない。考えてみれば、一部の受験前の意欲の高い受験生を除き、ちょっとしたバスの待ち時間や学校の休み時間などの隙間時間で勉強するこどもを想像しにくい?「いつでも、どこでも、ひとりで」勉強できることは、こどもにとって、むしろ迷惑な話なのかもしれない。

私は教育現場で、【ICTを活用して、効率良くモチベーション(やる気)を提供】するという、新しいセグメントが必要だと思う。この新しいセグメントには、やる気を引き出し、継続させるDNAを組み込む必要がある。教育現場の経験から、こどもたちは「決められた時間に、決められた場所で、みんなと」学ぶときにやる気が上がり、継続されやすいと感じている。まさに従来のeラーニングとは真逆のDNAを組み込む必要があると思う。

教育現場の現状は、学習内容を効率的に伝えることよりも、どのようにしてこどもの興味・関心、意欲を引き出すかということを一部の教師を除き苦戦している。いや、優秀といわれる教師ほど、意欲・関心を高める技術fが優れている。この技術を研修や勉強会などを通じて、若手教師に伝えることは当然重要である。しかし、この多くの教師が課題として認識している、この領域はICTがサポートすべき最も重要なテーマの1つである。

ICTを活用して、効率良くknowledgeを提供する=eラーニング
ICTを活用して、効率良くmotivationを提供する=新セグメント
このセグメントが広く認知され、多くのプレーヤーが参入することで、このメソッドを普及させたい。それが、教育が変わるきっかけになると確信している。その第一歩は、新セグメントの名前を決めることかもしれない。

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この記事の投稿者
FLENS株式会社 代表取締役社長 大生 隆洋
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『志有れば、道、自ら開く』『人生に主体性を!』をテーマに教育業界で活動する。 中学時代は新聞配達をしながら進学塾に通い、15歳で親元を離れ九州から上京する。大手学習塾で18年間勤務。リアルタイム対戦型学習サービス「FLENS」を開発し、2012年9月にスピンオフして、FLENS株式会社を設立。現在は同社代表取締役社長。グロービスMBA。

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